
株式会社デジオン(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:佐野 功、以下「デジオン」)は、災害時における迅速な状況把握を支援するため生成AIを活用した衛星データソリューションの技術開発に取り組みました。
本技術開発では、夜間や悪天候下でも観測可能なSARデータを、直感的に把握できる画像として活用できる環境の構築に寄与し、災害初動対応の迅速化を目指しています。
なお、本技術開発は、2024年度に経済産業省が告示した「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業)」に採択され、実施したものです。
実施の概要
【実施期間】2024 年 7 月~2025 年 2 月
【実施内容】本取り組みにおいて当社は、以下の技術開発を行いました。
1)SAR衛星画像を視覚的に判読しやすい光学画像へ変換するAI技術の開発
2)中分解能衛星画像を対象とした高精細化(超解像化)AI技術の開発


研究成果
1)SAR衛星画像を視覚的に判読しやすい光学画像へ変換するAI技術の開発
独自の生成AIモデルにより、農地や市街地などにおいて自然な色彩と質感を持つ光学画像の生成を実現しました。
研究の過程で、農地や都市部など用途ごとに最適化されたAIモデルの構築が有効であることが示唆され、それぞれの分野に応じた学習データの整備が今後の精度向上に重要であると認識しています。
今後は、各分野別にモデル精度を高める取り組みを進めてまいります。


2)中分解能衛星画像を対象とした高精細化(超解像化)AI技術の開発
中分解能衛星画像に対する超解像化手法の検討を進めた結果、対象とする衛星ごとに特化したAIモデルの適用が有効である可能性が示されました。
これらを踏まえ、さらなる技術精度の向上に向けて研究を継続しています。


なお、本成果の一部は、2024年度衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)による「衛星地球観測の官民連携による災害対応訓練(防災ドリル)」においても試用され、初動対応支援への可能性が確認されました。

今回の開発成果について、経済産業省の有識者委員より以下のフィードバックをいただいています。
今後の展開
デジオンは、今回の技術成果をもとに、災害対策機関・自治体向けの初動支援サービスに加え、農地調査支援やインフラ監視、環境モニタリング用途への応用を進め、
衛星データの利活用促進と社会課題の解決に貢献してまいります。
これらの取り組みを踏まえ、今年度中に衛星データ活用ソリューション「DiXiM(ディクシム) Imaging AI」のサービス提供を開始する予定です。
今後も、さらなる研究開発とサービス化に向け、関係機関や企業との連携を強化してまいります。
●関連リンク
- 衛星・宇宙事業 (https://www.digion.com/business/space/)
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●デジオンは、株式会社デジオンの登録商標です。
●その他、記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の登録商標または商標です。
■株式会社デジオンについて
株式会社デジオンは、ネットワーク、マルチメディア、セキュリティに強みを持つソフトウェア開発メーカーであり、特に、ホームネットワーク分野において自社製品ブランドであるDiXiM(ディクシム)によって確固たる地位を築いたリーディングカンパニーです。1999年に設立。福岡本社のほか、東京にブランチオフィスを設け、その製品は日本および海外のモバイル機器・家電機器・パソコンメーカーでご採用いただいています。 詳細は、https://www.digion.com をご覧ください。